音声ドック MEASUREMENT GUIDE

測定基準について

音声ドックは、世界共通の測定方法と用途別の目標値を分けて扱います。目標値は番組タイプ別=音声のみ配信は-16 LKFS(Apple公式推奨)、YouTube主戦場の動画ポッドキャストは-14 LUFS(実勢値)。公開ランキングも同じ番組タイプ別基準で順位を算出します。

基準一覧表

基準目標制定理由・位置づけ出典
ITU-R BS.1770LUFS/LKFS測定アルゴリズムK特性重み付けとゲーティングを定義する世界共通のものさし。LUFSとLKFSは同じ測定量の呼び名違いです。ITU
EBU R128-23 LUFS / TP -1dBTP欧州放送向け。テレビ・ラジオで番組間の音量差を抑えるための運用基準です。tech.ebu.ch
ATSC A/85-24 LKFS米国放送向け。CALM Actの技術根拠として、放送広告などの過大音量を抑えるために使われます。atsc.org
ARIB TR-B32-24 LKFS日本の放送基準。日本の放送運用で番組間ラウドネスを揃えるための基準です。arib.or.jp
AES TD1008-18 LUFS(スピーチ) / -16 LUFS(音楽)ネット配信向けの中立的なプロ推奨。音質とダイナミクスを残す意図が強い基準です。aes2.org
Apple Podcasts-16 LKFS ±1 / TP -1dBFSポッドキャスト納品の事実上の標準。モバイル試聴を前提にした推奨値です。podcasters.apple.com
Spotify-14 LUFSへ正規化(音楽トラック)再生時に音量を揃える公開仕様。ただし対象は音楽トラックで、ポッドキャストへの適用を明記した一次情報はありません。support.spotify.com
YouTube約-14 LUFSへ正規化実測ベースの通説・公式明文なし。納品規格ではなく再生時挙動として扱います。実測ベース

音声ドックが番組タイプ別基準を採る理由

  1. 音声のみ配信=-16 LKFS(既定):ポッドキャストの公式納品推奨値を出しているのはAppleだけで、それが-16 LKFS ±1です。音響学会AES(TD1008)も話声-18/音楽-16を推奨しており、話声は同じ数値の音楽より2〜3dB大きく知覚されるため、話声中心の番組に-14は過大です。
  2. 動画ポッドキャスト(YouTube主戦場)=-14 LUFS:YouTubeの正規化は「下げるだけ」のため、-16で出すと周囲より約2dB静かなまま再生されます。-14は公式規格ではなく実測に基づく実勢値(運用値)として扱います。
  3. Spotifyの「-14」は音楽トラック向けの公開仕様で、ポッドキャストへの適用を明記した一次情報はありません。

どちらの基準も誤りとは扱いません。会員ダッシュボードの自己診断では番組別に基準を切り替えられます。

基準切替とランキング

会員ダッシュボードでは shows_overrides.<slug>.loudness_target に数値を設定すると、品質チェック、実績バッジ、改善TODO、ラウドネス時系列の目標線がその基準に切り替わります。

公開ランキングの順位は、番組タイプ別の適用基準(音声のみ配信=-16 LKFS/動画ポッドキャスト=-14 LUFS)で算出します。各番組を「その配信形態に適用される標準」に対して採点するのが公平、という考え方です。

相対ノイズフロア

生のdBFSノイズフロアは番組全体の音量に依存します。そこで番組間比較では、番組音量に対するノイズの深さとして相対値を使います。

相対ノイズフロア [dB] = noise_floor_dbfs − integrated_lufs

-14換算ノイズフロア [dBFS] = noise_floor_dbfs + (-14 - integrated_lufs)

番組音量に換算して公平比較(ラウドネス非依存)。従来の優秀ライン -60dBFS は -14マスター前提なので、相対値では -46dB以下に等価変換します。

出典リンク